PERMINUTEと時間②-1

前回の①に引き続き、今度は2020SSコレクションについて思考の整理をしながら書いていこうと思います。

前回の記事を未読の方は是非チェックしてみてください。

2019AWでの消化不良だった部分を課題解決的に分解して検証するアプローチから2020SSは取り組み始めました。

特に、アルファベットの形を変えたりする過程で、文字とその成り立ちについてプリミティブな面も含めてもっと調べてみたいと思い始めました。

文字を使わずに文字っぽい形を作るプロジェクトに取り組んでいらっしゃるyang02さんというアーティストの方を知人に教えてもらったこともきっかけの一つです。

前回のアプローチは形をどれだけ変えてもやはりアルファベットでしかなく、文字そのものの本質に近づいている感覚はあまりなかったのです。ちなみに見た目は本当に気に入っています。だからこそ惜しいことをしたなと・・・。

変体仮名の時もそうだったのですが、ふと日常の中で目にしたものが意外にも広大な見えない奥行きを感じさせる肌触りが好きで、しかもその深さがコントロールできないような曖昧な状態が続けば続くほど、全く関係のないものなのになぜか合うという質感を引き寄せる気がしています。

今回も他のかたちでコミュニケーションになるもの、例えばモールス信号とか手話とかも調べたりしましたが、なんとなく居心地が悪く、結局文字に立ち返ることにしました。

習慣的に使っているし、文字や言葉によって行動が定義されることなんていくらでもあることに今更ながら気づかされたり。

そんな変体仮名のそもそものルーツである漢字の成り立ちも、プリミティブな人間の動きや世界の様相に紐づいて現在まで連続しています。

漢字について調べていくと成り立ちかたすなわち造字法にも6つほど種類があって、

①象形

ものの形にかたどること、漢字そのものの原型は象形文字と考えられているそうです。「月」や「人」はもちろん、「龍」とか「亀」とかもこのカテゴリらしいです。

②指事

「上」や「下」のように、基準点からの相対位置をとって表すこと。抽象的な概念を表すときに用いられます。

③形声

象声とも言い、類型を表す記号と発音を組み合わせて構成することをいいます。完全な表音文字とは違い、ケースにによっては意味も連動するそう。例えば、「晴」は「青(=セイ)」が音符で「日」が意符に当たりますが、「晴れた空の青さ」というように、イメージをを内包していますね。一方、「銅」は「同=(ドウ)」という音符自体に意味やイメージは連動していません。ここは結構ややこしい・・・。

④会意

①の象形文字と②の指事文字を組み合わせること。日本のオリジナルの漢字はこの会意で作られたものが多いのだとか。「休」は「人+木」に分解でき、人が木にもたれかかって休むことから「やすむ」となったそうです。構成要素のいずれかが部首になるケースがほとんどです。

⑤転注

造字、用字の古典であり永遠のバイブル『六書(りくしょ)』に記されながらその内容は2000年間謎と言われています。

⑥仮借

その語を表す字がない場合、既存の同音かそれに準ずる類似音をあてること。他の字とは成り立ちが全く異なり、すでに存在する漢字の運用法の作法のようです。「我」は矛の一種を表す文字でしたが、この仮借により「われ」を表すようになったとのこと。

ちなみにさらにそれ以前の話をすると・・・

紀元前1300年ごろ、今の中国に殷という王朝があり、そこで発明された甲骨文字がベースになっています。

雨乞いや豊穣を神に祈る時のまじないとして、亀の甲羅や動物の骨に紋様を書いて燃やし、そのひび割れで占っていたそうです。

そしてこの殷を滅ぼしたのが周、この王朝時代にかつて神との対話だけに使われていた文字を外部の部族とのコミュニケーションツールとして文字が機能し始めます。そして時が流れて日本へ_______

義務教育期間に学習する漢字はおよそ1000、そんなに勉強しているのに果たして全て使っているのだろうか。知識としては積み上がったけれども・・・。

こんなことを調べていた最中、一番心が動いたのが友人から聞いた「蒼頡」の話でした。

蒼頡は漢字を発明したとされる古代中国の伝説上の人物です。黄帝(これまた伝説上の人物)に使えたとされています。

当時は物事の記録に縄の結び目を用いていましたが、彼は鳥や獣の足跡の形によって元の動物を推測できることから、文字による概念表現を思いついたとされています。優れた洞察力を持つあまり、肖像を見ると目が四つある人物として描かれるなど、その正体は謎のままです。

目が四つ、それだけで想像力が掻き立てられます。こういうメタファーは昔からあったのですね。

「文字」と「占い」、そして「洞察」・・・これまでよりもだいぶ豊かなフィールドが立ち現れてきました。

ちょっと長くなったので、続きは次回にしようと思います。